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僕らはどこにも「到達」しない。

真っ青な大空の真っただ中、くるくると螺旋を描くふたつの影は、急上昇しているのか急下降しているのかすら分からなかった。
それは多分、見る人がそれぞれに判断すればいいことだと思った。
どちらが正解でどちらが不正解かが重要なのではなく、ただ、俺は知っていた、という事実が問題だと思った。
そう、知っていたのだ俺は。

嗚呼、ここは海の底だろうか。それとも青空の最中だろうか。と君はぼんやりと呟いた。

今ここにいるのは俺と君だけだったけれど、結局君のそれは俺に対する問いというよりただの独白。
極論海でも空でも構わないのかもしれない。と俺は勝手に判断し、聞き流す姿勢に徹した。今更変えることなんて出来やしないしと。

耳の奥、ごぼごぼと大きな気泡の塊が弾ける音がした。

嗚呼、確かに分からない。と思った。口にはしないけれど。
俺はずっとここを空だと思っていたけれど、確かに君の言う通り、海の底かも空の最中かも分からない。
何をもってして空だと思っていたのだろう俺は。君より何もかもを知っているつもりでいて、結局俺は君と同じだったのかもしれないね。
だけど分からないならそれでもいい。独白すら俺は口にしない。


その手はあたたかいのだろうか。俺は時々思う。
その冷たく頑ななものをひっしと握りしめ強張ったその手は、あたたかいのだろうかと。
だけどそれを確かめたりなんてしない。
その手に手を伸ばしたりなんて愚行は絶対にしない。

だってもしあたたかかったりなんかしたらきっと俺は、「知っていた」事実も何もかもいとも簡単にかなぐり捨ててしまいそうだ。






俺たちに、正しい意味での「ゴール」なんてないのに。
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