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切片からして

大切に抱いて走れるものはいつもたったひとつだった。
目の前に選択肢がいくつあろうと、結局この腕に抱けるものはひとつだけなのだ。
その他のもの全てを捨てるしか、守る方法がなかった。
例えそれを守るがためにこの身の端を破片が飛び交おうとも、一度このひとつだけと決めてしまったものは覆さない。
唯一と胸に抱いたそれが、もはや僕そのもの。もしくはそれ以上のものだと信じている。信じるしかない。
僕は結局そういう「存在」なのだ。

だけどせめてと願うくらいは許して欲しい。
僕が他の全てを投げ打って強く、壊さぬよう大切に、この身を削ってでもと守るたったひとつよ。
せめて僕の両腕の真下、その腕を伸ばして僕をしっかと抱き返していておくれ。
どれほど突風が吹こうとも、どれだけ大雨が降りかかろうとも、決して離さず強く強く抱いていておくれ。
唯一の君を抱きしめる僕の胸はいつだって凍える暇なく温かいけれど、君がそうして僕の背に両腕を回していてくれないと、僕の背中はこんなにも寒い。
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