スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

聖人君子は遠すぎる。

なにそれ。俺はなんでもおおらかに許しちゃうとでも思ってたの?
俺だってあの頃はガキだったよ。負けず嫌いで流されやすくて、一個に集中しちゃうと他の物何も見えなくなってたし。遠い遠い将来なんて考えてもいなかった。例えば、自分がジジィになった時とか。考えられるわけないだろ?あの頃の俺は、成長期を終えたばかりの、人生の中でも一番生命力に満ちた精力的な時期だったんだから。
別に刹那主義だったわけでもないけれど。
君が思うほど俺は、大人なんかじゃなかったんだ。

今でもそう。今でも、あいつさえいなければ、あんなことさえ起こらなければ、なんて思う時がある。
誰かひとりのせいにして、何かのせいにして、その時自分ができたかもしれない最善策をとれなかったことを悔やみ苦しむことから逃げようとしてしまう。
自分の過ちだとか失敗だとか、そういうものとまっすぐ向き合えば合うほど胸だのなんだのが酷く痛んで、苦しくて、辛くて、目をそらしたくなるんだ。
特に疲れてる時なんてさ、…そうだろう?俺だって人間だもの。
酷い男なんだって。君が思うよりもっとずっとすごく。

余裕ぶることはできる。誰にでも、しようと思えばできることだよ。
ただ、余裕があるように「演じる」ことと、実際余裕が「ある」ことは違う。
俺はその演技がすこーしだけうまかった、ってだけだな。

可哀想に可哀想にといくら憐れんでもどうにもならない。
起こったことはなかったことにならないし、なくしたものは元には戻らない。
せめてと祈ることくらいしかできない歯がゆさったらないけど、これは上位にある者の優越感から出る同情じゃない。同等、もしくはそれ以下の位置で味わったことのある、同じ…でもないな、似たようなものを知る者の同調だ。
勝手な想像ですり合わせ、似ていると勝手に判断した痛みのシンクロ。

どろどろとした汚い感情も、ぐっちゃぐちゃに汚れた身体も、全部。
結局自分のものでしかないんだって、…それだけは知ってるから、俺。

未だに許せないものだってあるよ。自分を含め、さまざまなものを恨んだり妬んだりする。
俺、短気だよ?知ってるだろ?

だからここにいるんだよ。
だからまだここで、…ここに留まってる。
だけど心配するなよ、俺がここにいても、別に君の後ろ髪を引きたいからじゃないんだから。

…否、嘘だな。

本当は、ほんとうは、今すぐにでも君をそこから掻っ攫って逃げたい。…とか思ってる辺り、本当にほんとうに酷い男なんだ。
ごめんなー。

あの時の君の必死の祈りを無視した俺が、…今更何も言えないけど。
でも無視してくれていいから。俺がそうしたように、君もそうしていいから、せめてと祈らせてくれ。
あの時の君の必死さにかなうか負けるか知らないが、負けないくらいの必死さで。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。