スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

たかが唯一の、

あの人は「飲み込め」と言う。
この世は「吐き出せ」と言う。

世に習い世に生きる身としても、それでも私は世よりもあの人に従おう。
だってあの人は誰より、本当に飲み込んできたのだ。
何もかも全て、上下の唇をぴったりとくっつけ、噛み締め、無理やりにでも飲み込んできたのだ。
実際にそうやって生きてきたのだ。

あの人は「上手に飲み込め」と言う。
上手に。そうすることに慣れてしまえと言う。
この世は「下手に溜め込むな」と言う。
下手に。そうすることに囚われるなと言う。

どちらが正しいかなんて知らない。
どちらが圧倒的多数の意見かは知っている。
だけど、それでも私はあの人に従おう。

その罪の身の内から這い出たこの身は、生まれる前から罪にまみれている。
今更、善悪も正誤もない。きっと。

何一つ、差し出せなかった。
それどころの騒ぎでもない。
それならせめて、たかが唯一のこの身くらい、あの人と同じように生きさせよう。
今生の私のできる限り全てでもって。

そうやって、そうやって。
そういうやり方で、あの人の罪の欠片を貰い受ける。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。