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彼は言った、

彼は言った。

お前にはその義務がある。


僕は問うた。

義務?権利ではなく?


彼は頷いた。

そうだ。もはやそれは権利ではない。義務だ。
その他どのような重要な事柄も全て破棄してでも遂行しなければならない義務だ。
いっそ職務だと思ってくれてもかまわない。
命の次に大切にしなければならないものだと思え。
これはもはや命令だ。


僕は驚いた。

そんな、いくらなんでもそれは暴論ではないのか。
あなたはいつだってそういった言葉の選び方をしながら、僕にそういった効果だけを狙ってわざとそうする。
そんな命令は聞けない。


彼は笑った。

相変わらずだな。
だが、これは決定事項だ。命令を無視するならそれはすなわち、規定違反になる。
罰則ももちろん発生するだろう。


僕は震えた。

罰則なら甘んじて受ける。
僕はそんな命令、聞けない。
知っているでしょう。僕が、その命令を聞くことができないことくらい。
それなのにあなたはそう言う。なんて無茶苦茶な。


彼は繰り返し言った。

お前にはその義務がある。


僕は途方に暮れて、僕の目の前に立つ彼の眼前に立ち尽くした。
ここからどうやって、彼の目の前から離れる一歩を踏み出せるのか、足を動かせるのか、目をそらせるのか。その些細な行動ひとつ取る方法を忘れてしまった。


彼は言った。

お前は誰より、その義務を遂行しなければならない。


僕は言った。

あなたが僕と同じ義務を背負うと約束してくれない限り。
あなたが僕と同じ場所にあると誓ってくれない限り。
僕はその義務すら果たすことなんてできやしないんだ。
知っていたでしょう。知っているでしょう。


彼はゆっくりと首を振って言った。

お前は誰より、しあわせにならなければならない。
俺が、いないどこかで。
俺の分まで。
お前にはその義務がある。









僕は溢れそうになる想いを飲み込んだ。



そうやってあなたは僕に、その命令を破らせるんだ。

そうやってあなたは僕を、誰より不幸せにするんだ。
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