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ごめん、と呟く刹那と、俯くタイミング

ごめん、と声には出さずに心の中で呟いた。
俺は汚いんだ。俺は卑怯なんだと、口にせずに懺悔する独白は、声に出すなりして相手に届けなければ意味がない。
むしろ、罪を自覚することで軽減させようと足掻く汚さ、卑怯さを際立たせ上塗りするだけ。

ごめん。知ってるんだと心の中で頭を下げる。
こういう時どのように振舞えば君が不快に思わずにいてくれるのか。どのような言葉を選べば君が喜ぶのか。
君を気遣って、というよりも、君に自分が嫌われないように。
君が喜べば、その喜びの万倍自分が嬉しいから。
要は自分可愛さ。
君を自分の手のひらの上で転がしたいわけじゃない。
だけど、知ってて選ぶ。
数ある選択肢の中から、君のためというこれ以上ないくらいの名目を冠に、拾い上げる。
経験がものを言う。

俺が生まれ生きてきた中で手に入れてきた全てを、後悔したことも含め、正しい意味で後悔などしたことはない。
辛いことも苦しいことも、嬉しいことも楽しいことも、そのどちらにもならない、毒にも薬にもならないことも、全部無駄であり、全部無駄ではない。
それら自分の体験や知識を駆使して君が喜んでくれるなら、君が笑ってくれるなら、君が奮い立ってくれるなら。

優しさというものは全て偽善だと思っている。
結局は自分のためなのだから。
だけど、そう言った俺に、君は言ってくれた。
偽善だと知っていて尚、それでも人に優しくできることは尊いことだと。
ならば俺が今まで生きてきた中で手に入れてきた経験も知識も想像力も全てを総動員して、俺にそんなあたたかな言葉をくれた君に優しくしようと思った。

だけど本当に臆病で汚く卑怯な俺は、やはり、ごめん、と声には出さずに心の中で呟く。
俺の選んだ行動、言葉を無垢なまでに真っ直ぐ受け止め喜んでくれる、誰より何より優しい君が、頬を緩ませ俯くタイミングで。
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