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この手の感触だけが頼り

テレビモニタの向こう側のお話としては、ありだと思った。
童心に戻って何も考えずにお座りしているだけなら、情けないことに大概平気だったしと。
抜け駆けしようと満面の笑みで駆け出す腕を、遮って邪魔したりしてても、そこに無邪気すぎるくらいの笑みばかりが転がっているなら罪なんてない。
純粋に、自分が楽しいことを追いかけている背中は見ていても楽しいし嬉しくなるのだ。

胡坐をかいて、背中を丸めてそんな風にぼんやり眺めていたら、気づかぬうちに隣に座っている人がいた。
僕はそれに大して驚かず、まるでいつものことのように振る舞い、僕と同じように胡坐をかき、少しだけ背中を丸めた人物の膝を軽く叩いた。
ぱしん、と叩いた手のひらに、その人が履いていた、履き込まれたジーンズと、その人の体温の感触がありありと残って、あぁなんて生々しい。と内心笑う。
そうやって、その人に会うたび内側に隠したものがもうひとつ増える。
そのことを別段、不幸だとか虚しいだとか思わない。
むしろ逆だ。
見ている方が気持ちいいくらいの勢いで食事をする口元だとか、よく動く器用なのか不器用なのかいまいち分からない手だとか、ピアスのひとつもない耳朶の上短く切りそろえられた黒髪だとか。
そういったものをなんとなく。何の興味もなさそうに眺める。
そしてまた、ひとつ。
そんな呼吸の仕方も悪くはないと思った。

想い裏腹少し乱暴な言葉を吐いたって、相手の受け取り方さえ分かっていれば全然平気だった。
いたと思えばいなくなる。
そのくらいの自然さと自由さを羨みながら、僕もまた、ふらりと出かけるだけだったから。
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