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祈り

目を閉じて。

そう彼は言った。

次に目を開ける時、君は俺のこと、全部忘れるから。と。
大丈夫、俺の記憶だけ、奇麗に忘れられるから。と。

目を閉じて。

そう彼は言った。

僕の両瞼を優しく手のひらで宥めるように、閉じることを促すように撫でて。

君が次に目を開ける時、君は俺に関わってしまったこと、全て忘れるから。と。
平気だよ、俺のことだけ、すっぽり忘れるから。と。

僕がそれを望もうが望まなかろうが、彼にとっては関係がないことなのだろう。

僕が彼のことだけを奇麗に忘れ去って、そして生きていくことだけを望む彼ならば。

おまじないをしてあげよう。

そう微かに笑った気配の向こう、僕はこみ上げる涙を噛み潰しては耐えた。

それが、あなたのためならば。
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