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ピアノだって打楽器だよ、と以前あなたは言いました。

天気のいい昼下がり、窓から差し込む日光の心地よさにうとうとまどろんでいた僕の耳に、カタ、カタ、何かを叩く小さな音が聞こえてきた。
不思議なリズムで鳴り続けるその音が何か半分眠っていた脳ではすぐには判別できなかったけれど、なんとなく知っている音だと気づき、多分、電子ピアノにイヤホンを刺して演奏しているのだろうと目星をつける。

カタ、カタカタカタ、タタタタタタタ、タン、カタ、カタ、カタン。

それと共に、微かに抑えに抑えた小さな鼻歌。

あぁ、あの歌だな、と。僕は思って少し笑った。
だけどそれでも日光の心地よさに抗えずにまたまどろむ。

カタカタ、カタタタタン。

あぁ、もしかして僕が眠っていることに気を使って、イヤホンにしてくれたのだろうか。
その、本来ならば伸びやかに空高く響き渡る声を、抑えに抑え、だけどつい零し落として鼻歌にしているのだろうか。
あの歌を、歌っているのだろうか。
硬く冷たい鍵盤を叩く指先は、今、一体どのようにして。どのような想いで音を紡ぐため揺れ動くのだろうか。

自分にしか聞こえない、密やかな音楽を。
僕が気づいていると知ったらあなたは、どうするだろう。


(停止)
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