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何を恐れるかと君は笑う。

刹那、表情が変化した。
刹那、身体が強張った。

たったそれだけで君は、急いで踵を返し走り逃げた。
それをあっけにとられたまま見送りながら、脱兎のごとく。とはまさにこのことだと思った。

ほんの少しの揺らぎすら、君は敏感に見抜いて身を翻す。
ぬくぬくとした毛布の隙間から。
ほかほかの陽だまりの最中から。

一度見限った場所に、君はもう二度と身を委ねたりしない。

「繊細なんだね」

僕は君の過敏な臆病さをもてあまし、少し困ってしまって笑顔を取り繕うも、

「何を恐れることがあるのか」

君はそんな僕を見下すような視線で鼻で笑った。
この次なんてないのだと、僕に言っているのだと分かった。
だけど僕はそうそうたやすく絶望なんてしない。
むしろ不可能だと決め付けられた「この次」をどのように手に入れてやろうかと思う。
君はそのままそう存在するだけで、僕の心の奥底を君だけで埋めていくのだと思う。

「君」はオレンジ色の毛皮がきらきらと光る、今まで見たどの猫より美しい猫だった。
毅然とした態度を崩さない、孤高の猫だった。
そんな、夢を見た。
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