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ボツか採用かは未確定3

飢えろ。
逃げろ。
耐え切れるものなら、耐えてみせろ。
限界まで。

そう、深淵の淵はすぐそばでお前を飲み込もうと待ち構えている。
溶け込む漆黒の触手を蠢かせて。
お前を手招いている。
お前を掴んで引き摺り下ろしたがっている。
舌なめずりの音が聞こえるだろう?

意外と容易いものだ。
さぁ。


…く、

思わず、口端から嘲笑が零れ落ちた。
それは滴となって己の体躯の真下に組み敷いた弱いだけの「もの」の上に降り注ぐ。
息も絶え絶え。
身体全て。心全て擦り切れても。
それでもこちらを睨み上げる奇麗な瞳の色だけは、変わらない。

そう、これだ。と思う。
これこそが、俺が、この襤褸雑巾を持ち帰った理由だと。
死ねないぎりぎりのところまで、洗って繕って修理するという面倒なだけの手間をかけた理由だと。
相棒すら「物好きだナァ」なんて笑うほどに。

足を折った。腕も折った。
そのまま放置すればきっと、自然治癒を行おうと足掻く肉体は、歪なかたちで骨が結合して、二度と元の形には戻れなくなるのだろうと思った。
それはそれで、面白いのだけれど。
奴みたいな人体改造は趣味ではない。
あくまで獲物は獲物然としていてほしいものだ。
いつか逃げ出す、なんてしてくれたら、それはそれで大歓迎。
また鬼ごっこができるわけだ。
俺から逃げ切るなんて不可能。
俺はもう、お前の血の味も、血の匂いも覚えた。
地の果てまで追いかけて、また捕まえてやる。
あぁ、楽しそう。すっげぇ、楽しそう。
にや、口端がまた、無意識に歪む。

襤褸雑巾の折れて変な方向へ向いた腕を掴んで、無理やり元々の形へもう一度折る勢いで捻り上げる。
ついでに足も。同じように。
骨が肉を抉る鈍い音。
ちょっと突き破っちゃったかもな。と思う。
確認のために腕を持ち上げても、すでに血まみれで怪我だらけだから、よく分からなかった。
ぽい、と掴み上げた腕を放る。
その一連の俺の行動で、襤褸雑巾は壊れたみたいに面白いほどに叫んだ。
限界まで見開いて充血した両の目から、ぼろぼろと涙が落ちる。

「なぁに泣いてんだ。直してやってんじゃねぇかよ。俺ってばちょー優しいと思わねぇ?」

くく、

笑みが零れる。
もう今までの責め苦で悲鳴をあげ続けすぎて、喉もぼろぼろのくせに。
声なんかあんまし出なくなってたのに。
多少の痛めつけでは叫ぶ気力もなくなったか、と思ったのに。
じゃあ仕方ないからちょっと直してやるか、と思って修理を始めれば、簡単に叫びやがる。
ぶるぶると震える襤褸雑巾。
無理に叫んで喉を酷使したせいか、少し吐血した。
それをにやにや見下ろす俺を、睨む瞳はもう、ない。
どこも見えてないみたいな、壊れた色。
ぱくぱく口を動かすから、なんだよ、と問いかけてやれば、もう耳タコな台詞が掠れて掠れて、だけど辛うじて聞き取れる。

…も、ぅ、…ころ、してくっ、れ

だってさ。…馬っ鹿みたい。

無様なほどに見事なほどにぼろぼろ。
だけど一向に屈しない瞳がいい。
哀願して懇願して。
だけど瞳だけは俺のものにならないのがいい。

あぁそうだ。
飽きたらこの目、抉って捨ててやろう。
まずはそうしよう。
飽きるまでは絶対に、この目だけは潰さないでおこう。
他のどこを、壊してでも。
これが、こいつの醍醐味だ。

「子猫ちゃん、お目めが真っ赤だなぁ。ウサギちゃんみたい。あぁ、これからはウサギちゃんって呼んでやろっかぁ?」

笑う俺を見上げた瞳だけは、やっぱりいい色してやがる。
だけどきっと、このまま放置したら完全に壊れてしまうんだろう。
限界ぎりぎりまで、洗って繕って、修理してやろう、とまた思う。

「イイコにしてろよぉ?お薬取ってきてやるからなぁ」

がしがし頭を撫でて。
ついでに唇を噛んで、ねっとりと舐め上げてやった。

甘い血の匂いと味に、満足する。


飢えろ。
逃げろ。
生きろ。

限界まで。

絶対にお前は深淵に飲み込まれる。
絶対に。



…ごめんなさ…

反省してるけど、今後に生かされるかどうかはわからない(コラ)。


うーん…、やっぱりボツかな、この練習作品3つ…(苦笑)
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