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十中八九、とは言い切れない?

俺の目に、あなたはいつも何かを欲しがっているように見えた。
あなたが欲しがっているものが何なのか俺には分からなかったけれど、あなたがいつもいつも、何かを欲しがっていることだけは分かっていた。

あなたは、何でもかんでも悪戯に欲しがっていたわけではない。
欲しいものはいつも決まっていた。
その軸がぶれることなんて決してなかった。
あなたはどこまでも一途に、たったひとつの何かを欲しがっていた。
他人にどう言われようが、どう思われようが、あなたは決して揺らぐことがなかった。
だからこそ俺はあなたのそばにあり続けることができたし、あなたのために何でもできると思った。
そして今以上に、何かできないかと思えたのだ。

あなたが欲しがるそれは、俺が持っているものだろうか。
俺に見つけられるものだろうか。
あなたの手に入れられるものだろうか。
あなたはそれを手にして幸せになるのだろうか。

俺はあなたが欲しがるそれの正体すら掴めぬままに、だけどいつかあなたの望む通りになればいいと願った。

あの時俺は急に理解した。
そして、あなたの元へと走って行った。
眼前、やはり一途に何かを欲するあなたを見つめ、その瞳に本当の意味で俺が映っていないことを確認して、俺は確信した。

やっと、何が欲しいのかが分かった。

俺がそう笑うと、あなたは俺を見つめながら、俺を視ずに首を傾げる。
俺はそのことを寂しく思うどころか、あなたの病的なほどのその一途さを勝手に誇らしくさえ思ってまた笑った。

あなたは永遠が欲しいんだな。

俺が答えを呟くと、あなたはぱちぱちと瞬きを繰り返した。
その様子があまりに幼く純粋なものに見えて、俺はますます誇らしい気持ちになった。
俺が存在できたのが、あなたのそばで良かった、と心底思った。

俺にはそれをあなたにあげることなんてできないけれど、あなたが欲していたものが何かが分かっただけで、これからの人生を生きていける。
それが例え、あなたのそばではない道筋だとしても。

欲しがり続ければいつか手に入るだろう、なんて無責任なことは言えない。
だけどできればこのまま一生、それを一途に欲しがり続けるあなたでいてください。
俺は多分、そんなあなたが実際に目の前にいなくとも、いる、と思うだけで生きていけるから。

だからどうか、泣かない自分を、俺のために泣けないのだと責め否むのはやめにしてください。
俺はそれがどれほど僅かな時間だとしても、あなたと共にいられただけで十二分に幸せだったのだから。
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