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間違わない人

あなたは決して距離感を間違えない人でした。
そのことが、どれほど臆病な私を安堵させたことでしょう。

あなたは「そこにある」ことに関して誰より秀でていました。
そのことが、どれほど弱った私の許しとなったことでしょう。

だけど私はあの日以来、半分外れたあなたが正直少しだけ、怖かった。
元々交差することなどありえなかった分、笑う以外にどうしていいのか分からなかったのです。
擦り切れるまで使い古した表情筋は、いちいち意思を伝達させなくとも自動的に動きました。
しかし、身体は皮肉なほど正直でした。
あなたを前にして、私はあなたに近づくためのほんの一歩分すら進むことができなかったのです。
あなたの周囲に広がる気配が怖かった。
近づくことで、その気配の正体を思い知るのが。そしてその波に当てられるのが怖かったのです。

多分、あなたは私が頑なに隠すもの全て、あの赤子のような透き通った瞳でとっくに見透かしていたのでしょうけれど。

その瞳に私は一体どのように映っていたのでしょうか。
それを知るためには、私もまた、あなたと同じ瞳を手に入れなければならないのでしょう。
しかし、私があなたと同じ美しい瞳を手に入れるには、まだまだ時間が足りなさ過ぎるのです。
それはそれは、途方もなく。
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