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風の切れ目

もし今、僕が。
明日が来るのが怖いと零したら、君は一体どういう言葉で笑い飛ばしてくれるだろうか。

明日が来るのが怖い。
この夜が明けるのが怖いんだ。

命ある限り必ず僕の元へと訪れる「明日」や「夜明け」は、本来希望の光を示す隠語だ。
だけど今の僕にとってそれらは、希望を抱くことで同時に約束される絶望と同等のもの。
寝ようが寝まいがしかるべき時が流れれば朝は訪れ、それを繰り返し繰り返すことで全てはどんどん背後へと流れて「過去」というひとくくりのカテゴリの中に埋もれていく。

新たな出会いは新たな別れを約束し、誕生は次の死を約束する。
形あるものはいつか壊れ、「今」は瞬きをした次の瞬間過去へと変化する。

それらは生きている以上、意識せずとも当然のこととして僕らは認識していて、抗いたいと願うことはあっても、実際に抗ってどうにかなるものでもない。

もし僕らに明日が。夜明けが来てしまったら。
そして少し前に僕が抱いた希望と同時に約束された絶望が僕の手元に届いたら。
元通り、ひとりきりに戻ったら。
僕はそれでもまた、君に会うため君を探そう。
途方もなくあてどなく続く灰色の世界を永遠に彷徨い歩きながらそれでもいつか、君にまた会えるようにと。
たったそれだけを希望の光として胸に抱き、そのことでまた次の絶望が約束されたとしても。
どれほどの時を越えてでも、君を探し出そう。
そしてまた君を見つけ出せたなら、やっと会えた。そう、心の奥底から呟いて。
もうめいっぱい。僕にできるめいっぱいの「優しい笑顔」を浮かべて。
それから。

『僕は本当はね、君のこと大嫌いだったんだ。それだけ言いに来たんだ』

今は言えないその偽りだらけの辛辣な嘘を、君に吐きつけまた君に背を向けひとりに戻る。
約束された絶望を、「今」の僕らの頬を撫でる柔らかな風の中、この手で確かに解き放つために。
ただ、それだけのために。
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