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約束破り

大切で、大切で、どうしても、何を犠牲にしてでも守りたいものがあった。
それを守るためなら何でも捨てることができると信じていたし、そのせいで誰かが傷ついても知らない、なんて大人気ない身勝手甚だしいことも平気で思ったくらいだった。

強く胸に抱え込み、座り込んだ腕の隙間、守りたくて仕方なかった大切なものを掴んで引かれた時、手放したくなくて壊されたくなくて奪われたくなくて、我を忘れて喚いた。

離せ、嫌だ、お前なんか知らない、

その刹那、ぱちん、と何かが弾けた音がした。
まるで風船が割れた時みたいな音だった。

その音に一瞬気を取られ、我に返った時。
腕の中の大切なものは、掴んで引く彼もろとも消えていた。

本当にこの腕に抱きしめ守りたかったのは、彼だったことを思い出した。

「うそつき」

嘲笑だけが、消えたものを未だ抱くように震える腕の間、木霊するように。


いつの間に腕の間、強く抱いていたはずの彼が、自分が作り上げた「大切な彼」という幻に変わっていたのだろう。
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