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賭け

「俺がお前を塗り潰す」

睨みつけ指差し言い放った俺の宣言を、彼はどこまでも強気に笑った。

「いいだろう。お前が俺を塗り潰すのなら、俺はお前を取り込もう」

「どっちが先に相手の色に負けるか、勝負だな」

「賭けるのは、己そのもの」

「上等だ」

きつく睨みつけその賭けに乗った俺を見て、彼は強気に笑った。とても、楽しげに。
最初から勝負はついている、と言いたげに。

だけど俺だって負ける気がしない。

俺たちの戦いは、何も今始まったわけではない。
もっとずっと前からきっと、続いていたのだ。
俺たちがこうして直接対峙する前。出会う前から。

彼はきっと俺を取り込む。

俺は絶対に彼を塗り潰す。

それは、もっとずっと前からきっと、決まっていた。

俺たちがもろとも何色になるのか。

きっと、俺と彼が恋だか愛だかと見間違えてしまいそうになるほど焦がれ、片やきつく睨みつけ、片や強気な笑みでもって見つめているものの答えはそこにある。




互いに、もしかしてあの時のあれは互いを嵌める罠だったのか、と気づくのは、もう少し後の話。
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