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完全フィクション

私と加奈子が通う中学には、生徒の中だけで代々伝わっていく七不思議のような、伝説のようなものがあった。
先輩から、兄弟から、人づてに広がる曖昧なものだから、もしかしたらもうすでに原型は留めていないのかもしれないし、そもそもの出所など誰も知らないから信憑性など全くない。
それでもこの中学に通う生徒の殆どはそれを心底信じ、恐れ、そしてどこかで自慢するような節があった。
そしてそれは私も加奈子も同じだった。
その七不思議はトイレの花子さんを筆頭に、どこの中学でもあるようなありふれたものが殆どだったが、ひとつふたつ、この中学独特のものがあった。
それは学校裏手にある焼却炉に向かう途中、校内にも関わらず何故か地蔵がひとつだけぽつんと。木陰に隠れるようにしてあること。
もうひとつは、そのまさに焼却炉の足元に無造作にそこら辺にある少し大きめの石を積み上げて作ったような小さな祠があることだ。
地蔵は当然のことのように生徒内では「この学校で自殺した生徒の魂を慰めるためのものだ」とか、「不慮の事故でなくなったこの学校の何代か前の理事長の代わりに生徒を見守っているのだ」とか、そんな曰くが勝手につけられていたし、
祠は祠で、「小さな男の子が住んでいて、その子は生徒を守っているのだ」とか何とか、座敷わらしじゃあるまいし、と思いたくなるくらいの噂が滑稽なほど真剣に語られているのだった。
他の生徒はわからないが、とりあえず、私と加奈子は祠の中を覗き込んだことはない。
焼却炉なんて日直になれば嫌でも放課後のゴミ捨てで近づくのだけれど、その頃には大体夏でも夕暮れを迎えており、小さな祠の中は真っ暗なのだ。
昼間の日が高い時間に行けばまだ違ったかもしれないが、普通の休み時間などに校舎裏など行く子はいない。
いるとすれば、誰か好きな人を呼び出して告白する人くらい。
祠どころではないのだ。
とにかく私たちはあの祠の小さな暗闇が、周囲がオレンジ色に染まる中、あまりに深くて覗く気になどなれなかった。

それら噂がある以上、当然のように日直、という仕事は生徒にとってとても憂鬱なものだった。
休み時間に黒板消しのチョークの粉をはたくのはいい。
日誌だって適当に書けばいい。
だけど放課後に焼却炉にひとりでゴミ捨てに行かねばならないのが、酷く怖い。
特に加奈子はその恐怖感が過剰だった。
しかし日にちが過ぎれば絶対に日直の日がくる。
加奈子は日直になった日、青い顔をして学校にきた。
休んだところでその日は免れるにしても、次に学校に来た時に肩代わりをしてくれた人の分の日直を任されるのだ。
この学校を卒業するまでは、絶対に逃げられないと知っているのだろう。
「ユキ」
加奈子は酷く深刻そうに私を呼ぶ。
「何よ、どうしたの。顔色悪いわよ」
「今日私日直なの」
私の心配の声など彼女には聞こえていないように、加奈子は淡々とそう言う。
「知ってる」
だから私もできるだけ淡々と受け流そうとした。
すると加奈子は悲痛な表情で私の腕を掴み、
「お願い、放課後一緒にゴミ捨てに行って」
そう頼むのだ。
私はそんなお願いは慣れていた。
何度も同じことがあったからだ。
しかし毎回、加奈子は初めて口にするかのように、今までずっと我慢していたことをようやく吐露するように私に願う。
だから私は毎回、いいわよ、とできるだけ彼女の重みを軽減させようと、軽く了承する。
どんなに嫌なゴミ捨てでも、代わって、と言わない彼女が好きだったからだ。
私の了承を耳にした加奈子はいつも一瞬信じられない、と言いたげな驚いた顔をした後、安堵するように溜息をついて肩の力を抜く。
それを見るたび、了承してよかったと思う。
加奈子は一日、私が一緒に行ってくれる、と安心したようで、日直の仕事をてきぱきと済ませていった。
だけどやっぱり恐怖が蓄積されるように、放課後が近づくとどんどん暗い顔になる。

放課後、職員室に日誌を出しに行った彼女を待って、夕暮れ近づく教室で待っていた。
他のクラスの日直はもうゴミ捨ても終え、帰っていってしまったようだ。
加奈子だけが少し遅れている。
先生に呼び止められてしまったのだろうか。
日誌は当たり障りのないことしか書いてないから問題にならないはず。
私はひとりぐるぐる考える。
さすがに加奈子ほど恐れはないにしても、私だって放課後の校舎にひとり、とか、暗くなってからあの祠に近づく、とかは怖い。
どうしよう。職員室までゴミ箱持って迎えに行こうか。
でも入れ違いになってしまったら、余計に時間がかかってしまう。
太陽が私以外誰もいない教室を真オレンジ色に染める。
それはとても綺麗な風景なはずなのに、どうしても私の心を不安だけでいっぱいにする不快な色でしかなかった。
…加奈子の恐怖が移ってしまったのだろうか。
奇妙な焦りが募る。

すると、遠く職員室の方からばたばたと走る足音がした。
きっと加奈子だろう。
加奈子は目立つほどではないけれど、ちょっと独特の、かかとを滑らせるような足音を立てる。
私は少し安心してその足音が教室に飛び込んでくるのを待った。
「ユキ!」
ガラガラと音を立てて教室のドアが開くと同時に、加奈子が悲痛に私を呼んだ。
「廊下を走ったら先生に怒られるよ」
私が笑うのに、加奈子はもう今にも泣き出しそうだった。
「どうしよう、日が暮れてしまう!」
「そんなに焦ることないよ、急げば間に合う」
「私怖いの!」
まくし立てるように加奈子は叫ぶ。私の軽い口調を責めるようだ。
私は別に加奈子の恐怖を馬鹿にしているわけではない。
自分だって怖いのだ。
夕日が沈むとそれだけ教室に騒然と並ぶ華奢で頑丈な机や椅子の脚の影が伸びる。
伸びた影から今にも真っ黒な触手が伸びてきて、私や加奈子の足を掴んで引っ張りそうだと思う。
だけどそれを口にしてしまうと、加奈子が余計に怯えてしまうから、黙っているだけ。
私まで焦れば、彼女はますます焦る。
だから冷静なふりをしていただけだ。
だけどそれを加奈子は悲しむ。
「知ってる」
私は加奈子を待っていた時のように少し真剣な顔に戻って、頷いた。
「急ごう」
ゴミ箱を掴む。
加奈子ももうひとつのゴミ箱を掴んだ。
教室を出る前、ふと窓を振り返る。
完全な日没まで、あとどのくらいあるだろう。
無意識震える指を牽制する意味も込めて、ひとつ、深呼吸。
「行こう」
廊下に私の声が嫌に響いた。そんなに大きな声なんか出してないのに。
私の声が思いのほか響いたのが怖かったのか、加奈子は声に出さずに頷くだけ。
私たちはゴミ箱を握り締め、できるだけ足音を立てないように(先生に見つかって呼び止められたら貴重な時間をロスしてしまうから、見つからないように)走った。
走った。
息が続かないんじゃないかと思うくらい、足先に緊張を満たして、ゴミ箱を掴む指に力を入れて。
加奈子と私の息を殺した足音だけが、それでも誰もいないオレンジ色の廊下に響く。
どんどん影が迫ってくる。
追われるように、私たちは走った。
どちらかが遅れたりしないように、時折視線を交わらせながら。
荒い呼吸と辛そうな加奈子の表情。
きっと彼女にも、私は同じように苦しげに見えるのだろう。
怖い。怖い。怖い。
呼吸が辛くなればなるほど、日が暮れれば暮れるほど、無意味な恐怖と焦りが増していった。
階段を駆け下りる。
下って下って、玄関で靴を履き替えることもせず、上履きのまま校舎裏に走った。

焼却炉は同じ場所にあった。
足元にはやはり小さな祠。
それを見ないようにしながら、どうか私たちを守って、と心の中で祈った。
私は急いで焼却炉の蓋を開ける。
加奈子はそこにゴミ箱の中身を空け、私の持っていたゴミ箱も受け取ってそこに流し入れた。
そして私はゴミを投げ入れた焼却炉から何か怖いものが出てきそうな気がして、急くようにして蓋を閉める。
たったそれだけだ。
加奈子はそれでも慌てた様子で制服のポケットから小さなスプレーボトルを引っ張り出し、自分の制服に吹き付けた。
それは彼女の癖のようなものだ。
その携帯用のスプレーボトルには液体の消臭剤が入っている。
焼却炉やトイレなどの、少し臭いがするところに近づいた後、彼女は必ずそれをする。
臭いに酷く神経質なのだ。
何もこんな時間のない時にしなくても、とは思うけれど、それでもそうしなければ加奈子は次の動作に移れないことを知っている。
ある意味儀式みたいなものだと思う。
加奈子はスプレーをした後、慌てていたのかスプレーボトルを投げ出し、スカートをはたく。
スプレーボトルは焼却炉の足元、祠の前に落ちた。
途端、
「あ~ぁ」
という、私でも加奈子でもない声がしてはっとする。
いつの間にいたのか、小学生くらいの男の子が校舎とは反対の方向、林のようになっているところに立っていて、私たちの方を指差し、
「それが呼んでしまうのに」
そう言った。
怖くはなかった。その子が誰かなんて考える暇などないのだ。
日没はもう間近に迫っている。
その前に私たちは上履きの土をはらい、教室にゴミ箱を戻し、荷物を持ってこの校舎から逃げなければならない。
私は急いで転がってしまったスプレーボトルを引っ掴み、ふたつの空になったゴミ箱を掴み、
「加奈子、行くよ!」
走り出す。
私が先に走り出しても、加奈子は手ぶらだからすぐに追いつけると思ったのだ。
途中誰か大人とすれ違ったような気がしたが、多分教師か用務員さんだろうと思ってひたすら走った。
加奈子の足音、荒い呼吸音が耳に残っていたから、ちゃんとついてきていると勘違いした。
加奈子が焼却炉の前で立ち尽くしてるなんて、思いもしなかった。

愚かな私は、教室に戻りゴミ箱を定位置に置くまで加奈子がついてきていないことに気づかなかった。
ぜぇぜぇと肩で息をする。
「…加奈子?」
呼んでも、あの独特のかかとを滑らせるような足音はしない。
それどころか、誰の気配もしなかった。
耳が痛いほどの静寂が、深い黒を予感させ始めたオレンジの中にあった。
私は急に怖くなる。
元々怖かったけれど、それでも私より怖がりの加奈子がいてくれたから、強がっていられたのだ。
「加奈子?」
恐る恐る呼ぶけれど、やはり私のその臆病丸出しな情けない声が響くだけだった。
もしかしたら加奈子は走り疲れてしまって、先に校門のところにいるのかもしれない。
ゴミ箱を私が両方持って行ったから、荷物も持ってきてくれるよね、と甘えたのかもしれない。
普段の加奈子なら無言で甘えを見せることはないけれど、今回は特別恐怖を味わったのだから仕方がないか。
私は勝手にそう結論付け、掴んだままだった消臭剤の入ったスプレーボトルをポケットに入れ、自分と加奈子の分の荷物を手に、加奈子が待っているだろう校門に向かってまた走った。

加奈子は校門にもいなかった。
もしかして入れ違ってしまったのだろうか。
加奈子は私を追って教室に戻ってしまったのだろうか。
ならば、ゴミ箱が元の場所にあり、自分と私の荷物がないことに気づいて校門に向かうだろう。
そう思って待ってみたが、待てど暮らせどこない。
校舎から離れた校門でなら日暮れを迎えてもそれほど怖くなかったけど、加奈子がいつまで経っても来ないことが酷く不安になった。
日暮れはどんどん進み、もう辺りは薄暗くなっている。
夜の暗闇はもうすぐそこだ。
「…加奈子」
声を殺して呼ぶ。
だけど、返事は当然のようになかった。
「あれ、まだ残っていたの?早く帰りなさい。もう暗いじゃないか」
大人の男の人の声に顔を上げる。
そこには洗濯を繰り返して薄くなってしまった作業服みたいな格好をしたおじさんが立っていた。
用務員さんだ。
私は訳を話す。加奈子が来ないから待っているのだと。
用務員さんは不思議そうに首を傾げ、
「分かった。じゃあおじさんが探しておうちに帰るように伝えるから、君は先におうちに帰りなさい。荷物は明日渡せばいいだろ?」
そう言って、私を促した。
私も疲れ切ってへとへとだったし、用務員のおじさんは前にも見たことがある人だったから安心して帰路についた。
次の日、加奈子に鞄を渡し、「怖がり」自分を棚に上げてそう笑ってあげればいいのだと信じて。

次の日、学校は休校になったと連絡が来た。
事件が起きて、今は警察の人が調べているのだと言う。
今日は家から出るなと言われたと。
事件、
どくり、と心臓が鳴った。
昨日あれから加奈子と連絡を取っていない。
加奈子、
その名前を声に出さずに口にした途端、急にどうしようもないくらいの不安が襲ってきた。
クラスメイトからの電話を切ったその手で、加奈子の自宅に電話をした。
…誰も出ない。
加奈子、加奈子、
声に出さず、呼び出し音だけが鳴る受話器に呼びかける。
加奈子、加奈子、加奈子、
…どうか出て。
おいてけぼりなんて酷いよユキ。
そう言って。謝るから。加奈子、お願い。
しかし呼び出し音を数え切れないほど聞いても、誰も出なかった。
私は受話器を叩きつけ、着替えていた制服そのまま家を飛び出し学校へ走った。
朝の通学路には、当然のように私たちの通う中学の生徒の姿はない。
だけど私は走った。
加奈子、加奈子、加奈子、加奈子!
心の中で何度も呼ぶ。
どうかどうかどうか、どうか!

校門にはドラマで見たことのある黄色いテープが貼ってあった。
気持ちは急いていた。
なのに足は強張り、そのテープを越えられなかった。
私がこれ以上先にはいけないように設置された、境界線なのだと思った。
パトカーが数台。
おまわりさんと野次馬が沢山。
「君、これ以上入っちゃ駄目だよ」
声をかけてきたおまわりさんを呆然と見上げる。
「あれ、君ここの生徒さん?今日は休校だよ」
「…加奈子は」
ぽつり、問う。
途端、おまわりさんの優しげな表情が強張った。
「君、山下さんのお友達?」
山下、というのは加奈子の苗字だ。
こくり頷くと、おまわりさんは困った顔をして、帰りなさい、と言った。
帰りなさい、
その言葉に従って、私は昨日帰ってしまったのだ。
加奈子をひとり置いて、帰ったのだ。
それから加奈子と連絡が取れないのだ。電話に出てくれないのだ。
首を振る。
だけどおまわりさんは私をパトカーに乗せ、住所を聞き出し、家まで送り届けてしまった。
その日の夜、加奈子が死んだことを知った。
あの日、焼却炉の前で暴漢に襲われ、ひと目で誰か分からないくらい酷い状態だったと。
探してくれていた用務員さんに発見されたのだと。

葬式も出たけれど、棺はぴっちりと釘でもって蓋を閉められ、中を覗くことは許されなかった。
遺影の加奈子はいつもみたいに緩く微笑んでいて、あれ、この写真見たことあるなぁと思う。
あぁ、修学旅行で一緒の部屋になった時に撮ったやつじゃなかったっけ。
私も同じ写真を持ってる。
加奈子、
私は声に出さずに呼んでみる。
なぁに?
ちょっと気弱な返事が脳裏に浮かぶ。
浮かぶだけで、実際には聞こえなかった。
私は泣かなかった。悲しまなかった。
わからなかったのだ。
ただ、呆然としていた。
葬式も何もかも終わって、墓参りしたってそれは変わらなかった。
しばらくすれば中学も授業を再開する。
先日犯人が捕まったのだとニュースになった。
それは、加奈子の前の父親だったのだそうだ。
加奈子のお母さんは加奈子が私と出会う前の小学生の頃、その父親と離婚して、新しいお父さんと結婚して、この街に越してきていた。
その前の父親は乱暴でだらしない人で、酒や吐しゃ物、尿の臭いがいつもしている人だった、と顔が隠れた人がインタビュアーに答えている。
そして犯人である前の父親の顔写真。
あれ、この顔見たことある、ふと私は思う。
気のせいだろうか。今の新しいお父さんの存在しか知らなかったし、会った事なんてないはずなのに。

私は昼間の休み時間、ひとり、ふらりともう使わなくなってしまった学校裏の焼却炉に向かった。
そこにはいつもの小さな祠、まるでそれに供えるようにして、枯れかけた花束と封の開いたジュースの缶があった。
加奈子は祠の前で仰向けに倒れていた。
前の父親に殴られ蹴られ、叩きつけられ、顔なんて見る影もないくらいボコボコにされて、自分の吐いた血と吐しゃ物に溺れて死んだ。
見てもいないのに、その風景が見えた気がした。
私はポケットの中から加奈子の消臭剤の入ったスプレーボトルを出す。
あの日から預かりっぱなしで、鞄はお母さんに返したけど、これだけは棺にも入れてあげられなかった。
加奈子が臭いに過敏だったのは、前の父親が臭かったからかもしれないと思う。
加奈子と前の父親の間に、何があったのかなんて知らない。
加奈子はそんなこと、一言も言わなかったからだ。
そんなそぶりひとつ、見せなかった。気づかなかった。
「…加奈子、」
私があの時、加奈子を待ってあげればよかったのに。
私は加奈子が一緒にきてるかどうか、どうして確認しなかったのだろう。
あの時、どうして加奈子をおいて家に帰ってしまったのだろう。
私は焼却炉の前にしゃがみ込む。
やっぱり涙は出ない。ただ後悔ばかりが募る。
ふと、小さな祠が目に入った。
いつも夕暮れの中でしか見なかったから、祠の中はどこまでも暗くて怖いだけだった。
今なら見えるかもしれない。
私は目を凝らす。
薄暗い祠の中は昼間でも暗く、だけどそこには、
「嫌ーーーーーー!!!」
叫んだ。その場に尻餅をついた。でも少しでも離れたくて、尻餅をついたまま後図去った。
どうして、生徒を守るんじゃなかったの。
どうして、
嫌だった。嫌だった。
加奈子、
あの時、焼却炉から校舎に戻る時私がすれ違ったのはもしかして、
あぁ、あの男の子は一体、呼ぶって何を、
嫌だ嫌だ嫌だ、加奈子、加奈子、加奈子、加奈子、
あの日から随分経って初めて、私は泣いた。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになって、わんわん泣いた。
液体の消臭剤が入ったスプレーボトルを握り締めて加奈子を呼びながら泣いた。

小さな祠の中には、生徒を守る小さな男の子なんていなかった。
小さな祠の中は、空っぽだったのだ。
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