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濡れた砂

遠浅の海は、一体どこまで続いているのか分からない。
どこまでなら歩いていけるんだろう。
青とも緑とも言えない、微妙な半透明の海の中、くるぶしより少し上を濡らすそこに立っていた。
他に見えるものは、海との境すら見失いそうになるくらい、自然にそこにある薄曇の空だけだ。

歩くべきか、ここに止まるべきか、悩んでみる。
どこまでも続いていそうなこの遠浅の海。
だけど不意に深みが現れ、足どころか全身取られてしまいそうで少し怖いのだ。
優しい波間、じっと目を凝らして見てみるけれど、一歩前に踏み出した足に全体重を預けるには、そこはまだ不確か過ぎた。
自分の素足を見つめる。
ゆらゆら波間、まとわりつく砂をそのままにそこにある。
それだけは、確かだった。

ここにただ立つための足はある。
そしてきっと、これはこの遠浅の海を歩き続けるための足でもある。
ただ不安なのは、足場だけだ。

薄曇の空の下、遠浅の海に立ち尽くす夢を見た。
遮るものなど何もないその風景は、どこまでもどこまでも連綿と続いていて、果てなんてないみたいだった。

ぐ、と足の指に力を入れると、濡れた砂の感触が指の合間にあった。
それを確かめた後、その夢を見始めて初めて、片足を持ち上げてみた。

ばしゃり、

水面からあげられた素足には、砂がまとわりつく。
乱された波間、舞う砂。
だけど結局、足が前に進んだのか、それとも元の場所に戻っただけなのか、知ることもなく目が覚めた。
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