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晴れた空下

あの日暗闇の中で、唯一の眩いくらいの光の中、立っていた人を覚えています。

その視線も、その指先も、その背中も、全て。

光の下、言の葉は刃になって宙を舞い、ざくりと刺さる痛みすら悦びでした。

あの日可変と不変の狭間で、唯一立ち尽くす人を覚えています。

舐め上げる光に導かれて顔を上げた時、この耳に聞こえていたのはただ、目を開けろ、と笑う人の声。
顔を上げろ、瞼を開き、凝視しろ。
眼前にあるものを見ろ。
真実はそこにある。
手を伸ばせばつかめるだろうと。

光の下、音の連続は毛布になって全てを包み、ふわりと被さる温もりすら苦しみでした。

見下す視線を覚えています。
導く指先を覚えています。
壊す唇を覚えています。


手負いの獣が加護を拒否して暴れるようにまるでそれらは、単なる痛み分けでは済んでくれなかったのですね。

晴れた空下、吹く風も音も言の葉も全て、単なる過去の記憶として処分など、決してできないものばかりです。

だからあの日、決意を口にしたのは、
看取ってやる、と。
死に水を取ってやる、と。
いっそ火葬場で燃されたあなたの遺灰を、掴んで喰らってやるとまで思わせた、愛と見紛うほどの、ただの狂者の感情からでした。


きっとあなたの葬儀の日は、あの日と同じ、晴れた空下。
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