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乱暴なまでの優しい忘却

早くしないと、早くしないと。気ばかり焦る。

早くしないと忘れてしまう。

忘れたいものも、忘れたくないものも、全部忘れてしまう。

忘れたかったものも、忘れたくなかったものも、忘れてしまったように。全部。

早くしないと、早くしないと。忘れてしまう。


なにひとつわすれてはならないものなのに、

わすれてしまう。

わすれてしまうのだ。


早く早く。気持ちだけが先走る。

忘れたいものも、忘れたくないものも、忘れてしまうその前に。
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意識、無意識、ひっくるめて全部だと言えるのか。

きちんと丸まって眠れば腹側は寒くない、と君は言う。
それは口外に「背中は寒い」と言っているのだろうと僕は思った。
それなら僕がその背中に張り付いて眠ってあげようかと提案したら、そうするとお前の背中は誰があたためるんだと何故か怒られた。

背中合わせに立つのが僕らの常だったのは、そんなどうしようもない理由からだ。
眠る時、起きている時、関係なく僕らは背中合わせで反対方向を見つめる。そのどちらにも死角など発生しようもないほどしんみりと。
完全には噛み合わないごつごつと骨ばった背中と丸まった背中は、それでもあたたかかった。
少なくとも、寒さに凍えることはなかった。

腹側は己の両腕で守れる。守れない背中を預け切るほどの信頼感に似た何か。
二人で一人だなんてきれいごとなど決して言えない僕らが、結局どこにも行けなかったのは当然のこと。

お互いの顔すら忘れてしまっても、それでも多分僕らは幸せだった。
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