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まどろむことさえできない

その下瞼の淵にぷくりと膨れ上がった雫の分だけ、誰かがしあわせになろうとしていた。

小さな小さなそれは、その人の肌の色を正しく映していたことだけは分かった。

下睫毛の先から今にも落ちてしまいそうな、ふるふると揺れる頼りない透明な粒は、ぽろりと離れる寸前に途切れてしまい、行方は結局分からなかった。

あとに残ったのは、まだ明けもしない夜の闇のみ。
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