スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

影はいつも鮮やかな一色なのだ

いかないでいかないで。
僕が懇願すればするほど、影は遠のく。
いかないでどこにもいかないで僕を置いていかないで。
僕はひとり君を置いてふらふらと出かけるくせに、君がひとり僕を置いてふらふらと行ってしまうのはこんなにも怖い。

どこまでも自分勝手なのだ。
結局なんだかんだ言って、自分さえ良ければそれでいいのだ。
君が喜んでくれたら僕が嬉しいから。君が楽しんでくれたら僕が楽しいから。
君が悲しむと僕は悲しい。君が痛むと僕だって痛い。
結局僕は自分のために君を想う。
なのに僕はいつも、君を置いてふらりと歩き出してしまう。
そのたび君が、必死になって僕を探し出してくれてしまう。

そうか。僕は気づく。
だから今、僕の目の前、他の何も見えなくなるほどの鮮やかな色を纏った影は、僕から遠ざかろうとしているのか。

いかないでいかないで。
僕は大声を出して呼び止めようとして、声が出ないことに気づいた。
待って待って。
僕は必死で手を伸ばして君を捕まえようとして、足が動かないことにも気づいた。
その絶望感たるやない。

だけどそんなのまだマシだった。

引きつるほど精一杯伸ばした、…この指先がほんの僅かでも君に届くなら、その後千切れて落ちてしまってもいいと思うほど伸ばした指先の向こう。いつだって僕の目を、心を、全てを奪ってやまないその鮮やかな一色が、まるで海辺の砂の城のようにざらりと脆く崩れ落ちたのだ。

僕は悲鳴を上げた。
声なんて出なかったけれど、息もできなかったけれど、腹の底にありったけの力を込めて叫んだ。
言葉にもならない血を吐くような叫び。





(一旦停止)
スポンサーサイト

君は嘘つき

俺は何でも知っていると君は嘯く。
俺に知らないことなど何もないと君は不遜に笑って、簡単にそういった類の性質の悪い嘘をつく。
俺は嘘なんて言っていないと君は嘯く。
俺に偽りなんて似合わないだろうと君は不敵に笑って、あっけなくそういうどうにもならない嘘をつくのだ。

仕返しに僕はいつもこう言う。
あんたは可哀想だと簡素に言う。
あんたにも知らないことがある。だけどそれはあんたが自分で気づかなければ意味がない。だから僕は言わない。
そして僕は口には出さずに心の中で言う。

あんたは「自分にも知らないことがある」ことを知らない可哀想な人だ。

開花宣言

花だ花だと僕は笑う。
からかうように。はやし立てるようにして。
そのような子供地味た方法でしか、僕は君を認めることができないのだ。
不器用な僕は繰り返す。
花だ花だと僕は笑う。
いい加減にしろと苦く笑う君をそれでも尚。
そのような頭の悪い方法でしか、僕は君に認めてもらおうとできないのだ。

花だ花だ。

これでも精一杯、君を褒めているつもりだと。
君は多分、わかってはいるんだろうと期待している。勝手に。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。