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一体何者なんでしょうか

“幸福な時は吐息を零す刹那のように残酷なほど短くあっけなく過ぎ去り、それを待つ時間はいつ降るかも分からぬ暖冬の牡丹雪を待つのと同じくらい、震えるほど恋しく切なく、長く、ひたすら長く、…ひたすらに長いものだ”

僕は笑って言いました。
あなたもまた笑って言いました。

“幸福とはその時を待つ時間がひたすらに、ひたすらに長ければ長いほど、辛く苦しく震えれば震えるほど、訪れたそれは噛み締めきれぬほどの愛しさを伴って、輪をかけ募り重なり増すものだ”
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折り曲げ厳禁

つらつらと書き綴る。
延々と。ひたすらに。
今までも、これからも全てを込めて綴り続けて、用意していたものも、あとから追加したものも、全部が完全になくなるまで。
空っぽになってしまうまで。
もう何一つ、欠片も残っていませんよ。
そう言って笑えるようになるまで。

「私は何も知りません」

あの人と、全く同じ台詞を口にできるようになるまで。

新月の夜に逢いましょう

それは、等しく暗闇。
何もない空っぽの空間を、べったりとした濃厚な漆黒で塗り潰したような、埋め尽くしたような、そんな暗闇。
他に何もないでしょう?
何も感じない、何も聞こえない、何も見えない、何も、

吸える酸素すら、ないでしょう?

漆黒を引き裂くような光。
すぐに、雷鳴。
容赦ない雨音が全てを叩き伏せ、激しい風が全てを揺さぶる。


---


ぼぅ、とした頭を抱えて目が覚める。
ぐったりと重たい身体に、冷え切った汗、筋肉も関節も全て、遠すぎて扱えない。
ゆっくりと目に映る、間近の肌色と、薄い灰色のシーツ。
「…ぁ」
ぽつり、声を出せば。
それは発した俺がぎくりとするほど掠れ、痛んで萎んだ。
少し視線を上にすればたやすく見つかる、俺を抱き込み眠る彼の寝顔。
どこか幼く、柔らかなそれを見て、あぁ、また悪夢を見たんだ、とぼんやり思う。


新月の夜は駄目だ。
特に、酷い嵐が重なった日なんて、朝から食欲もないし、まるでずっと眠いみたいに、身体も重いし頭がぼーっとしてちっとも役に立たない。
その時の俺を初めて見た仲間曰く、『一日中夢の中を漂ってるみたいな顔』をしているらしい。
記憶も曖昧になるんだ、確かにそうなのかもしれない。
ある人は慣れてしまって放っておいてくれるが、そうともなればさすがに仕事にも支障をきたす。
でもこればっかりは持病みたいなもんだから、新月の嵐の日だけは休むようにしている。
両方が重なるなんて本当に稀なことだからか、彼も他の仲間たちも、それに関しては何も言わなかった。

こんな状態がいつから始まったのかは分からない。
ただ、気づけば暦など見なくとも、新月だけは身体が先に感知した。
ちなみに、他は満月すら分からない。

新月の嵐の日は、日がな一日自分の部屋に閉じ篭り、息を殺してベッドの上で過ごす。
当然食事なんて摂らないが、一日抜いたところでさほど問題はない。
ただ、身体も何もかも全部投げ出して眠る。
『手負いの獣が傷を癒すためにじっと丸まって寝てるみたい』
慣れたある人は笑った。
一体どんな傷があるんだか知らないが、俺はただただ眠り続ける。
淡々と、延々と。
月が姿を現すまで。

次の新月の夜に、嵐が訪れないことをひたすら願いながら。




(一旦停止)

道草

春が咲いたら、君と道草をしにわざわざ出かけましょう。

子供の頃は限界なんて言葉、知らなかったでしょう?
時間は無限に目の前に行儀よく並んでると思ってた。
一秒、一分、一時間、ゆっくり指折り数えることだって可能だと。
少しずつでも大人に近づけばきっと、なんでもできるようになると思ってた。
低くて狭い視界はいつか、高く広く目の前に現れるのだと信じてた。

だけど気づいたら、自分を守るためだけに限界を自分で作って固め、狭めてばかり。
そうやって作り上げては疲れ果て、その場に力なくへたり込むばっかりだった。
そんなに沢山守りたいものがあるはずないのに。

多分、のんべんだらりと道草を食ってればいつか、どこか適当な場所に辿り着けるでしょう。
辿り着いたそこがきっと、行くべき目的地だった、ということにしましょう。

今生は一度きりとがむしゃらに突っ走るのもいいけれど、焦って盲目になってしまったらどうしようもない。

最初から目的地が決まっている人はそこに真っ直ぐ進めばいいし、特に予定もないなら、ご一緒に道草でも食いましょう。
春が咲いたら、君とふらふら適当に。

「なんにもしんぱいしなくっていいんだよ」

そう拙い口調でもって無邪気に笑ったのは、どれほど昔のお話でしょうか。

存在をすら疑う迷子とは

僕は今、本当にここにいますか。
真実ここに存在していると証明できるものはありますか。
科学的に、客観的に、知覚できるものですか。
僕にはちっとも分からないのです。
いつも不意に見失ってしまっていることに気づくのです。
常時、見失っているというのに。

いつか必ず光は差すと言いますが、「いつか」って一体いつですか。
今欲しいと強請るのはただの我侭ですか。
聞いてるこっちが白けるほどに熱弁を振るうその自信は一体どこからくるのですか。
そんな曖昧なことを何度口にされようとも、具体例がない状態でどう信じろというのですか。
その口から後から後から零れる似たような言葉たちは、ただの奇麗事にしか聞こえないのですが。
僕の耳は間違っているのでしょうか。

僕とあなたは、互いに希望を託しすぎていた。
それが叶わないと知った瞬間から、色々とずれてきてしまったんです。
不意に、全部見失ってしまっていることに気づくのです。
そしてへとへとに疲れてしまうのです。

敗因は、相手への過剰な期待と憧れの念だけだでした。
そしてそれだけで十分、僕とあなたを構築するため、そしてそれを崩壊させるための材料となったのです。

僕は今、本当はどこにいますか。
あなたが自分のそれを知らないように、僕もまた、ちっとも知らないのです。

ヒトヒラの青葉を、手に。

たやすく言葉になんてできない感情を、めいっぱい。
めいっぱい伝えようと足掻いて、足掻いて。
少しでも、少しずつでもと伝えれば伝えるほど、それは後から後から溢れて、一体今までどこにこんなにいたんだ、と思うほどあって、どうしたって伝え切れなかったけれど。

全てを完膚なきまでに覆い隠して、見えなくしてしまうくらい降り積もった切なさは、もどかしいくらいの『好き』のせい。
泣きながら、喚きながら、それでも絶対に大嫌いと言えなかったのもきっと、どうにもならないくらいの『好き』のせい。
それならいっそと、硬いアスファルトに力いっぱい投げつけて壊してしまうことができなかったのも。
未だ「離せ」と、その手を振り払えないのもきっとそう。

時々、『悲しい』が何より沢山になってしまうのは、何故だろう。
なのに不意にまた、『好き』がとめどなく溢れるのは何故だろう。

言葉にすればこんなに薄っぺらいのに、どうしてこんなに、息ができなくなるくらい胸が満杯になってしまうのだろう。

ひとつ、伝えればふたつに増える。
ふたつ、伝えればよっつに増えた。

泉のように滾々と湧き上がる、たやすくなんて言葉にできない感情が、めいっぱい。
どうしたって伝えきれない『好き』で、この身はもう満杯だ。

タトゥー

ひとつひとつ、馬鹿丁寧に。
刺した針の傷痕に、一滴一滴、墨を差し込むようにして。
意識無意識、刻み込んだのは何だった?

この身に徹底的に沁み込んだそれらを、どうして簡単に忘れられようか。

全ては表裏一体の背中合わせ。
そんなことくらい、最初から分かっていたはずだけれど。

幻のようなリアリティ

彼と微塵も似ていないあなたで良かった、と心底思う。
少しでも彼の面影を残されていたら、きっとこんなに平静でいられなかった。
徹底的に彼の記憶を抹消してくれて良かった、と心底思う。
欠片でも彼の思い出を残されていたら、きっとこんなに笑っていられなかった。

あまりに残酷だと嘆きそうになるほど、完璧に彼の全てを覆い隠し、切り離し、
…もしかしたらもう、全て捨てて忘れてしまっているのかもしれない、と思うほど。

全く違う世界に生きるあなたで良かった、と心底思った。
そうでなければきっと、身動きひとつできないまま立ち尽くすところだった。

忘れないで、捨てないで。
痛まないで、だけど腐らせないで。
そう心底懇願していた長く辛かった時期は、今思えば一瞬のできことだったのかもしれない。
ものすごく最近のことのようで、ものすごく昔のことのようだと思う。
幻のようなリアリティ。

誰の代わりも、誰の真似もしなくていいから、ただそこにいてください。
もう手は伸ばさない。
優しいあなたがうっかり掴んで引いてしまわないよう、決してこの手は伸ばさないから。
もう、誰かのお荷物になるのはごめんなのだ。
あたたかな腕に抱かれ守られる、眩暈にも似た幸福感と、切なく愛しいばかりの罪悪感はもう、十分この胸にある。

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あなたの好きな季節がくる頃には

自分が今、幸せか不幸せか。

判断できること、それだけで十分なんじゃないかと思う。

例え自分を不幸と嘆いても、

不幸だと判断できる。それだけで十分、人は幸せなのかもしれないと。

あなたが待ち望む季節がくる頃にはきっと、それでも僕は誰より幸せなのだと笑ってあげよう。

あなたが今の自分を、幸せか不幸せか、判断できているのなら尚更。

泣けること、泣けないこと、泣くこと、泣かないこと、

思い通りにいかなくなった子供が、泣き出す直前。
その周囲を取り巻く気配や空気が、夏場の夕暮れ時等、雨が降り出す直前に空気中に急激に湿度を孕むそれにとてもよく似た前触れがある。
表面張力が崩壊し、溢れる直前によく似ている。
それはあまりに突然やってくる。
耳の内側に膜が貼り、痛むような静けさの中、今にも泣き出しそうなそれらは、直線を描いてこちらの胸の内部に突き刺さり、こちらの息をも詰まらせる。
そして無性に焦らせる。
どんな時でも、何をしていたとしても、全て放り出して抱きしめるためだけに走るほどにそれは、とても悲しく切ない刹那だ。
両腕を伸ばし抱き寄せるのは、その子のためでもあり、そして何より自分のため。
あたたかい人の体温が、互いにとって何よりの慰めになるからだ。
「大丈夫、大丈夫だから。できるよ。落ち着いて、ゆっくりやってごらん」
優しく言い聞かせ諭すのもまた、その子のためでもあり、自分のためでもあるのかもしれないと思う。

大丈夫。

繰り返していればいつかきっと、目まぐるしい生活の中、紛れて隠れて、消えたような気がするようになると信じて繰り返す。

大丈夫。

繰り返していればいつかきっと、どんな悲しく切ないことでも本当に大丈夫になると信じて繰り返す。
いつかきっと、本当に大丈夫になるまで繰り返す。
大丈夫。そう繰り返し言って、無理やりにでもひたすら笑う。

あの時、周囲を取り巻く気配や空気、湿度は悲しさや切なさにとてもよく似ていた。
悲しくて切なくて寂しくてどうしようもないそれは、この胸奥深く、突き刺さるように真っ直ぐ届いた。
だけどあの時、何もかも放り出して駆け付け、抱き寄せ慰めることはできなかった。
悔やむ腕が、己の無力を思い知った胸が、今でも痛むけれど。
大丈夫。
この声は決して届かないけれど。
祈るように信じてる。

いつかアナタが、抱え込んだ全てでもって思う存分泣き喚き、心から安堵できる人の腕の合間、積みあがる傷ごと慰められんことを。
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