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白の夢

面白いくらい白。…なんて言うと、君はきっと「お前それ、わけわかんねぇ」とか言って笑うんだろうけれど。

可笑しいくらい白。笑っちゃうくらい白。
だから、君が笑うまでもないよ。

汚れは落ちたかな。全部。
あまりに滑稽だもんだから、何故か悲しくなるくらい白。

君の手を掴んで向かう夢か。君を抱えて逃げる夢か。
覚えていないなりに、君がいたことだけは確か。
…否、それすら不確かかもしれないけれど。

面白いくらい白。

ゆらゆら揺れる白は、ただ単に光だったのかもしれない。

雨に洗われ太陽に焼かれ、色が落ちた白っぽいアスファルトの上、見慣れない煙草の吸殻が落ちていた。

「俺が悲しいと、お前も悲しいだろ?」
君が言う。
「だから、俺を悲しませるな」
君が、至極当然のように勝手なことを言うから。
「アンタそれ、わっけがわからん上に無茶苦茶だ」
僕は、笑うしかなかった。

面白いくらい白。

あの夢ほど簡単に、白くなってくれますように。
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光と風と

ただ、春を待つ君の箱庭。

光と風。

何が。何が聞こえないというのでしょうか。
何が。何が足りないというのでしょうか。
狭くて快適なここで。

明日を待つ君の箱庭には、何もかもが溢れているはずだったのに。

生体から伸びるだけの死んだ細胞は、ただただ伸び続け。
切り落とす瞬間にも、痛みすら伴わず落ちる。

はらはらと、花びらのように。

光と風に翻弄されるがまま。

そのままに。

ただ、春を待つ君の箱庭に。

落花。流水。

同じ人間から生えているのに、左手は温かくて右手だけ冷たい。
…否、逆だったか?
そんなこと、どうでもいいか。
ただ単に、どちらかの手は体温を感じるのに、もう片方は冷たかった。
まるで森の奥深くに眠る、誰にも知られていない湧き水のように。
体温を纏わぬ片手は、清らかさすら感じた。

あぁそうか。
僕は妙に納得する。
君はもう、少しずつ余計なものを脱ぎ始めているんだね。
沢山、沢山。
ヒトは生きていく内に色々なものを着込んで着膨れして、身動きが取りにくくなっていくけれど。
大概のヒトはそれに気づかない。
そうやって、大人というものを履き違えていく。
だけど、君は気づいてしまったんだね。
だから、片手指先から少しずつ、君は脱ぎ捨てていく?
体温から?
でもそれは、ヒトがヒトであるために、
否、生き物が生き物であるために、必要な最もじゃなかったっけ。

君の足元、落ちた花びらが踏みにじられるのを視た。
それは何故かとても、何より清らかなものに感じた。

プロットだけですが。

ひとりぼんやりベンチに座る。
その隣、ひとり分の隙間をあけてベンチに座り、煙草に火をつける。
「しかしアレだねぇ」
何気なさを装うようにして、こちらを向かない相手に声をかける。
「…何」
声をかけられた方は、煩わしげに隣を横目に見る。
「嫉妬に狂った男ってのは、無様だねぇ」
声をかけた方は相手を見ない。
かけられた方はうんざりと言いたげに、ため息混じり。
「…分かってるよ」
「あれ。身に沁みてるんだ、一応は」
ふざけた口調裏腹、さほど面白そうでもなく笑う(馬鹿にしているのとはまた少し違う感じ)
対して、声をかけられた方は自嘲するように。
「理解してる。嫌ってほどね」
「ふぅん」
「…話をふってきた割には淡白だな」
文句を言いつつ、不満はない。
「そりゃそうだよ。頭では分かってても、心で分かってなかったら意味がない。今のお前のようにね」
そこでようやく、相手を横目に見て笑む。
その視線を受け、ため息。
「…余計なお世話だな」
「そうだね」
ふたり、苦笑い。

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…こんなネタ使えねぇし!(死)

それはとても

それはとても簡単なことで。
それでいて、とても難しいこと。

人は意図も簡単に壊れる。
人ってそう簡単には壊れない。

とても弱くて、
それでいてとても強い。

面白いくらい。
つまらないくらい。

自分は自分。
他人は他人。
個々のものだから、比べるつもりはない?

それでも人は他人と自分を比べる。
あの子よりは不幸じゃないから。
どうしてあの子みたいになれないの。

違いはどこ。
そんなの簡単。全部だよ。
違いなんてあるの。
そんなの難解。ありはしない。

柔らかいのは

柔らかいのは。
柔らかいのは、君の欠伸。

切ないのは。
切ないのは、君の睫。

温かいのは。
温かいのは、君の声。

苦しいのは。
苦しいのは、君の体温。

楽しいのは。
楽しいのは、君の口端。

痛いのは。
痛いのは、君の指先。

嬉しいのは。
嬉しいのは、君のうなじ。

好きなのは。
好きなのは、君の全部。

一緒に遠回りをしましょう。

何でもいいよ。
何か話して。
何でもいいよ。
アナタが話したいことなら。
何でもいいから。
何か話して。
今「アナタが僕に話したいこと」が聞きたいのです。
いくらでも。
時間が許す限り。
今夜はこの耳、アナタに預けましょう。
だから泣かないでいいよ。
早くここにおいで。
何でもいいから、話して。
そして、眠って。
そしたらまた、頑張れるっていうなら。
おいで。
苦労らしい苦労をしらない甘ちゃんの僕が、それでも辛さや痛みだけでも、理解できる内に。
その程度でも、いいのなら。
アナタが少しでも楽になるのなら。
早くここにおいで。
待ってるから大丈夫。
もう少しだけ、泣くのを辛抱してくれればいい。
今夜はアナタを、預かりましょう。
たまには一緒に、遠回りでもしてみましょうか。
いつもひとりでまっすぐ歩く、アナタと一緒に。

どうしてもどうしても

悪癖を上手に懐柔する方法はどこ。
口癖のように自問自答する言葉なんて、聞き飽きた。
眩暈がするまで待たなくってもいいのに。

たかが満ち干きすら鈍感なままだから、悪癖をひとつひとつ克服していけないんだ。

「両目を開けばいいのに」

彼はいとも簡単にそう言ってのけた。
両目で見える視界には、見なくていいものが沢山あることも。
一度両目でもって見てしまったら、もう二度と片目の景色に戻れないことも。
そんなことも知らずに。

見えすぎる視界。
見えにくい視界。

そのどちらかを、試した後で選べたらいいのにね。

それでもどうしたって片目は開いておこう。
両目を閉じれば見たくないもの全て見ずに済むけど、その代わり見たいものも見えないし、転んでしまうことが怖くて歩くこともできなくなるから。
両目閉じたまま地面を両手で探りながら行ける場所は、とても狭く限られている。

覚えておいで。
克服できずに積み上がる悪癖の全ては、視界の広さで決まるものではない。
鋭利に尖らせた感覚のみ。
いつか、アナタはきっと悪癖の存在意義を知る。
きっと。

if

あまりに時間に対する概念が甘い。
全てにおいて遅れている。

もし。
もしも。
そう、言ってしまっていいのなら。

もし。
もしも。
あの時出会っていたら。
あの頃の僕が、出会えていたとしたら。
僕は、今と違う場所にいたのだろうか。
今と同じ場所でも、違う視界の中にいられたのだろうか。
もし。
もしも。

…それとも、あの時出会えていたとしても、変わらなかったのだろうか。
全く同じ場所で、同じ視界だったのだろうか。

でも嘘じゃない。
決して嘘なんかじゃないのだ。
今の場所も、視界も全て。
僕が、僕自身が選んできたのだから。

甘いままだ。
だけどきっと、遅くないはず。
確かに遅れているけれど、それでも。
この指先が、あの退屈な教室でこっそり誓いを立てたことも。
それだけを頼りに目を開いたことも。
必死に後を追ったことも。
嘘じゃないから。
それだけは、確実に。
追いつけるだろうか。
いつか。

枯渇

喉が渇いて仕方がないのです。
アナタが餓えるのと同じように。

皮膚が軋んで仕方がないのです。
アナタが悼むのと同じように。

何をその手に掴んだかも忘れて、まるで最初から何も知らないように。
そうやって、アナタが生きるように。

迷い道迷い道。
樹木の皮はあまりに固くて、剥がしたところで食むことはできません。
「お前に分け与えられるものは、水分の一滴すらない」
そう、あの古い樹木に言われたような気がした。

funf

5年ぶりに噛んだ左の2つ目の1つは。
いっそ5つ全てを。
いっそ右の全ても。

滲むものなどもうないけれど、寂しがるそれのために。

さぁ左の1つ目の1つを。
3つ目の1つを。
4つ目、5つ目。
次は、右。
さぁ1つずつ。
そうして5回、繰り返す。

傷むものなどもうないけれど、懐かしがるそれのために。

噛み砕く。
噛み千切る。
噛んで、折って。
粉々に。

もはや慰めにもならず、むしろ残りがなくなってしまったことで余計に餓えるだけだけれど。

5年ぶりの、5つずつ。

1つ1つ、手は抜かないから安心して。
あの頃のように、どこまでも徹底的に噛んであげましょう。
偽者でもいいのなら。
あの頃と寸分変わりなく徹底的に。

元より積み重ねたものは、たかが5年じゃもう戻らない。
後悔と感傷は、同じ位置には並ばないと知った時から。

1つずつ、僅か肉薄したそれを見やりながら。

されどさながら

何のひっかかりもなく滑らかに流れるように動く糸の上の指が、不意にその動きに不釣合いな音を引き当てた。
ち、と舌打ちが聞こえるような錯覚。
彼の横顔。
ガラスの向こう、進みたがった方向を間違えた手が、「ごめん、もう一回」とジェスチャーで願いを伝えてくる。
彼を閉じ込める密室と、俺が閉じこもる密室には、音は通じない。
声も何も。
ただ、自主的に互いに合わせる視線でもって。
見せるためだけに作る表情でもって、会話をするだけだ。
それがもどかしくなってきた頃に、彼の指は音を外す。
俺の心の中を見透かすようだ、と思う。
彼ともっと濃密に意思の疎通をするためには、無造作に放置したままの右の手を、目の前広がる数え切れないほどのスイッチのひとつに伸ばせばいい話。
そう、至極簡単なことだと思う。
伸ばした指先、彼のように進みたがった方向を間違えることもなく目的を達するまで、僅か約一秒。
「…   」
呼ぶ名は彼に、届くだろうか。
俺にも、届かないのに?
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