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夢を見る夢

痛みを穿き違えた。
あの日から祈る言葉はいつも同じ。

穿き違えて穿き違えて。
このまま。

そうすることで、僕が楽になるわけじゃないことくらい知っているけれど。

穿き違えて穿き違えて。
そのまま。

そうすることで、君がますます苦しむことくらい知っているけれど。

僕らは見事に痛みを穿き違えた。
あの日から祈る言葉はいつも同時。

穿き違えて穿き違えて。
どうか。

痛みを、穿き違えたままで。

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lemon drop

ただ、吐き捨ててくれればよかったんだ。

優しい言葉も、愛しい声も、あたたかな手も全部。
要らない。要らない。要らない。
呼吸すら奪って、最初からもう、僕に何も与えてくれないで。

甘い甘い飴の味はただ、苦しいだけだった。
僕があんなにほしがったのは、これじゃない。
そんなつもりはなかったんだ。

誰のせいでもないんだよ。
大丈夫。
わかってるから。

ただ、君の幸せを祈ってるよ。
心の底から強く。

泣き腫らした瞼が重い。
だけどこんな時に限って、タバコはとても美味しい。
さぁ。このまま蝕んで。
祈るように深く吸い込んで、吐き出す。
だけど致死量にはまだまだ足りない。
もしかしたら、僕は僕が思うよりずっと、気が長いのかもしれない。
その時を、待ち続けている。
待ち侘びているんだ。

今更。
最初からなにもなかったらよかったのに、なんて。
くだらないことだけ滑り落ちる。

言葉は口にするたび甘く痛い。
沁みて汚して侵食していく。
甘い甘い飴のぬるい味はもう、思い出したくもない。
それほど痛みしか伴わないんだ。

なにもない。

もう戻れないのに。
今更。

うまく繋げられるはずがない。
言われたくなかった。だけど危惧してた。言わせる隙も与えないつもりだった。
だから、きっとこれは、僕のミスだ。
君が謝る必要なんて。後悔する必要なんてないんだよ。
僕の胸に抱えられた大荷物は、全て僕が、僕自身でチョイスしてかき集めたものばかりなんだ。

可哀相に。
ごめんね。

思い出なんてない。
だけど僕はきっと十分、誰より幸せだったよ。

ただ、君のこれからの幸せを願っているよ。
心の奥底から強く。

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お月様が欲しい。

真っ黒というよりも、紺色を塗り重ねたような暗い空の真ん中に。
真っ白なまん丸お月様。

君はそれを指差して、あれがほしい。とねだるのだ。

あのお月様は、誰かだけのものになってはくれないのだよ。とどれほど言っても、君は聞き入れない。

あれがほしい。そう繰り返して駄々をこねる。

君だけのお月様がほしいんだね。そう問う僕に、君は頷く。

いつでもついて来てきてくれる、美しく真っ白な丸い月がほしい。と。

だから僕は君のため。
夜空が濃紺色に染まる頃、待ち合わせたいつもの場所に。
真っ白なまん丸風船をひとつ持って、君に会いに行く。

ほら、君だけのお月様だよ。僕はこれでいいのか分からずにそれでも必死で微笑んだ。

わぁ奇麗。君はふんわり微笑んで、僕の手から風船を受け取ってくれた。

よかった。僕は口には出さずにほっと安堵する。

濃紺色のお空の真ん中に、白くて奇麗な、少しだけ欠けたお月様。
華奢な君の白い手に、白くて奇麗な、少しだけ丸さの歪なお月様。

君はとても嬉しそうに、君だけのお月様を見上げる。
だからついつい、僕も君のお月様を見上げてしまった。

せっかくお空に誰かだけのものになってはくれないお月様があるのだけれど。
だけど、君だけのお月様もとても奇麗だ。

僕は満足して、目を閉じた。

隣でふわり、君の嬉しそうな吐息が聞こえた。

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もしも

もしもあの時。

もしもあの時、君が手を振り払ってくれたなら。
もしもあの時、君が黙っていてくれたなら。
もしもあの時、君が目をそらしてくれていたなら。

きっと、僕らは今頃違う世界を見ているのかもしれないね。

もしもあの時、彼が忘れていてくれたなら。
もしもあの時、彼が笑っていてくれたなら。
もしもあの時、彼が立ち止まらずにいてくれたなら。

きっと、僕らは今頃泣くことも簡単にできていたかもしれないね。

僕らにはやっぱり、「言葉」は不必要だったんだ。
余計なツールを手に入れてしまったのものだね。
お陰で僕らの手のひらは荷物でいっぱいだ。

もしもあの時、

臆病者は塵に還る

「正直者は馬鹿を見る」

笑うのは僕。
ただの自嘲だけれど。

あぁ馬鹿馬鹿しい。

僕は別に、正直に生きようなんて思ってないんだけどな。
真面目に生きようなんてカケラも思ってないよ。

ただ、自分の好きなように好きなだけ。

そう思ってた。

別に。誰かに嫌われようが呆れられようが落胆されようが、関係ないしって。
別に。誰かの期待を裏切ろうが忘れられようが貶されようがどうでもいいしって。

好かれようが想われようが、僕の知ったこっちゃないしって。

なのにそうもいかないんだ。
不器用極まれり。素直じゃないにもほどがある。
ここまでくるとぐったりするね。
だけどもうどんなのが器用で、どんなのが素直なのかもわかんなくて。

何が怖い。何が。
そんなのわかりっこないしわかりたくもないし。
そう言いながらそれでも、その「怖い」ものをじっと見据えていたりする。
見て見ぬふりをしながら。
気づいていないふりをしながら。

そうでもしないともたないし。

だからほっとけなかったんだ。
生意気でくそ真面目で不器用で。
生き急ぐみたいにわき目も降らずにそれだけで。
いつも考えすぎて空回ってさ。
「馬鹿みたい」
そう笑う僕に、
「馬鹿なんだよね」
なんて笑ったりするから。

あぁもう。
僕のどこにそんな人情地味た感情が残ってるって言うのさ。
僕はとても冷たい酷い人間なのに。
ただ、詰めが甘いだけだよきっと。
思うほど、僕は優しくないよ。

だからもう僕を呼ばないで。

ここは立ち入り禁止。

「忘れられないものでもあるの?」

君は聞く。
そんな、くだらないことを私に聞いてどうするの。

「忘れられない人でもいるの?」

君は聞く。
そんな、酷いことを私に聞いてどうするのさ。

忘れようとすること。
忘れないようにすること。

全部全部、残ってるよ。
思い出にしてしまっていることも。
思い出にすることもできずにいることも。
全部全部、残ってるけどそれが何か問題でもある?

だけどそれを口にしてどうにかなるとでも?
何もない。私は全て忘れて生きる人だからと嘯く私に、君はどこまでも真っ直ぐな、変わってない奇麗な瞳で、それは嘘だと喰らい付く。

アンタ、相変わらず残酷なんだね。

私から弱さを見出して何になる。
君がどうにかしてくれるっていうの?
何もできないなら、責任持てないなら。
ただの好奇心なら、触らないでいてくれないかな。

アンタ、相変わらず子供のままなんだね。

無理してでも構築してきたものを、壊すことはとても残酷なことなんだよ。
大人になることでそれに気づくといい。
擦れて汚れて、どこまでも。
人は変わっていくものでしょう。
何も変わらない人なんて、それはすでに「ヒト」ではなく、ただの「化け物」だわ。
分からないなら、その好奇心殺してよ。

だから私は君が嫌いなんだ。
キラキラしたその目が嫌い。
自由奔放で無茶苦茶で。
君のやり方はいつも無礼で強引。

アンタ、相変わらず奇麗なんだね。

私は忘れたり、忘れなかったり。思い出にしたり、思い出にできなかったり。
そうやってでも、生きるしかないのに。
無理してでも構築したものに囲まれて、ようやく呼吸をするのに。
喘ぐように必死で。

壊さないで触らないでくれると嬉しい。
君はそのままでいてもいいから。
そのまま、奇麗で強い君のままでいていいから。

遠く、離れようとした。君が怖いから。
なのになんだ。
結局私は、君から完全に縁を断ち切れなかったみたいだね。


…嫌な夢だこと。
泣けてくるじゃないか、馬鹿。

うまく言えないけど

咳が乱れたら、声なんて出せないよね。
呼吸が乱れたら、溜め息なんてつけないよね。

座ることに飽きて立ち上がってはみたけれど、踏み出すなんて無茶だと思わない?
方向なんてわかりっこないってのにさ。

忘れたら、涙なんて出ないよね。
見失ったら、亡くすこともできないし。

これ以上僕らの手のひらの上、何があるのかな。
なくした覚えなんてないよ。
だって最初から何も持ってなかったんだから。
人は手ぶらで生まれてくるでしょう。
ぎゅう、と握った握りこぶしの中は、空っぽ。
身体が急速に変化していく過程で、人は生き急ぐみたいにあれこれ掴んでは投げたり、食もうとしたり。
そんなことしてるから、喪失感なんてもの感じてしまうんだ。
僕らは最初は、何も掴んじゃいなかったのに。

歩き出してみたら分かることだって彼は言う。
だけど実際歩いてみたら、同じ場所をぐるぐる回ってるだけだったりする。
ねぇ、座ってていい?って聞きたくなる。

だけど不思議。
それでも喉は渇くし、お腹は減るんだね。

あぁ、だから彼は帰りたいってあんなに泣いてたんだ。
絶対に帰れない場所って分かってるのに。

目に見えないものなんて分からない。
手に触れられないものなんて分かりっこないでしょ。
感覚?なにそれ。
不安定な薄氷の上、立ってられないよ。

あぁ、懐かしい。

とうとうその時が来るのか。

来た。
何かが来た。
何かと共に来た。
来た。
理解したくもないものが。
至極面倒なものが。
一緒くたになって来た。
来なくていいのに。
待ってないのに。
求めてないのに。
欲しがった覚えもない。
なのに来た。
来いと誰も言っていないというのに。

あぁ、こうなったら引きずり出されてみるしかないのか。
あたしはそこに行きたくもない。
何故にそれと共に来るかな。
溜め息しか出ない。
溜め息しか。
あぁ、面倒くさい。

だから、引きずり出されてみはするつもりだけれど、明日は嫌なので。
まぁ、また今度ね。
気が向いたらね。
覚えてたらね。

順番を守りましょう。

どれからひとつずつ。
なにからひとつずつ。

優先順位が分からないから、どれにもなににも手がつけられない。
でもその順番はきっと、君にしか分からないことなんだよ。
だから誰かに示される前に、君が判断して決めていかなければいけないんだ。

わかるよね。

さぁ、どれからひとつずつ。
なにからひとつずつ。
君は、手にしていくんだろう。

僕はじっと君を見ている。
何か言うわけでもなく、何かするわけでもなく。
僕はただ、じっと君を見てる。

ふと君は僕を振り返って泣いた。
「君は君は、何からどれから手に入れていくの」
君は泣きながら言った。
だから僕は、手のひらの上にある、不思議な色の錠剤を君に見せた。
「僕はこれを飲み込むことから始めるよ」
僕はそう君に言った。
「それを僕にもくれないか」
君は泣きながら僕に手を伸ばした。
空っぽの手のひらを僕に差し出した。
「駄目だよ。これは僕にしか効力がないものなんだ。君には逆に毒かもしれない」
僕が断ると、君は泣いた。
「それが欲しかったのに」
そう言って、君は泣いた。

君が欲しがったものは、「毒」だったと、初めて知った。
だけど僕は、君が一番に手に入れたがったそれを、あげることができなかった。
僕の手のひらの上、たったひとつの不思議な色の錠剤。
多分ね、
僕は思うんだ。
君の手のひらの上に、たったひとつ錠剤があるとしたら。
こんな不思議で曖昧な淡い色の錠剤じゃなくって、きっと。
きらきら奇麗な原色の、カプセルだと思うんだ。
君はそれを飲み込んで、泣き止んで。
君が、決めるべき順番を、決めていくんだと。

僕はただ、そう思うんだ。

だってそうでしょ。
自己完結法は幾らでもあるって大昔笑って言ったのは君じゃないか。
指折り数えて。
僕はそれに縋ってこの曖昧で淡い色をした錠剤を握り締めているんだよ。

対比の関係

いつもより、
いつもの半分も眠れないのは、誰のせい。

分かりきって凝り固まった敬礼の向こうは、貼り付けた能面顔で。
笑っては駄目なの。
怒っても駄目なの。
どうしろっていうの。
近づく硬質な靴音が響くのが怖かった。

もうアナタのこと、あの頃の半分も覚えてないよ。

定例通りのありきたりなやりとりの視線の向こうは、貼り付けた無表情顔で。
泣いても駄目なの。
でも、黙っていても駄目なの。
どうしろっていうのさ。
冷たい金属の感触が蘇るのが怖かった。

もう彼らのこと、あの頃の半分も覚えてないっていうのに。

思い通りにならないことばかりだった。
それでも君は、僕の理想そのものだったのに。
眠れないことなんて、僕らはちっとも気にしなかったのに。

じわり、滲む汗が不快だった。
とにかく、それだけだった。
重くまとわりつくのは、汗だけじゃなかったけれど。
重く感じるのは、それだけじゃなかったけれど。
ただただそれが、僕らにとって重荷だっただけだ。
足枷だっただけだ。
コルセットのように、締め付けるだけだった。

君は今でも、苦しいままかい。

ただ生まれ死ぬまで。
人生とは死ぬまでの暇つぶしだと。
死ぬために生きると。
生きるために生きると。
生まれてしまったがために生きると。

彼らは口々に言う。
同じようで、全く違う意味を口にする。
それらはすでに、僕らの心に響かない。

誰のせいでもない。
きっとそれは、君が君自身に無理やり寄与した価値なのだ。
そしてそれは、僕が僕自身に押し付けた付加価値でもあるのだ。
誰も僕らにそれぞれの価値をくれなかったから、仕方のないこと。
自ら己へ価値を作るしかなかったのだ。
おままごとのようだと笑われても尚。
しかしそんな僕らを笑う彼らもまた、おままごとのように滑稽だと笑い返してやるべきだった。

比べる対象ではないのが一目瞭然だと思わないかい。

はは、馬鹿らしい。
今更僕に、どんなことを夢見ろっていうの。
僕は今でも、苦しいままなのに。

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「hs」メモ

手遅れなんだ。
もう、手遅れなんだ。
下す判断も、処置もすべて手遅れ。
英断なんてすでに不可能。
僕らは垂直に落下するだけ。

手遅れなんだ。
もう、全ては手遅れ。
後戻りなんて許されるはずがない。
僕らは垂直に落下するだけ。

最初から、僕らの背中には羽なんてなかったんだ。

もうタイムリミット。
全部お終い。

羽ばたく羽もないまま、覚悟を決める暇もなく、
僕らは垂直に落下するだけ。

僕らはきっと落下地点は違うけれど。
落下が同時だっただけ、よかったのかもしれないね。
だからせめて、彼らがゆらゆらと沈み飲まれていくことも、
せめて同時だったらいいと願おう。

最初から、彼らの背中にも羽なんてなかったのだから。

手遅れなんだ。
もう、手遅れなんだ。
ただ僕らは、途方もなく無力だっただけだなんて思わないでいよう。
伸ばした指先が掠めた優しい風だけは、真実だったと信じよう。
冷えた背中に感じた、確かな体温を忘れないでいよう。

贖い切れない罪だけ背負って。

もう、全ては手遅れだけれど。

唯一の心残り

眠れない眠れない理由は、なに。

眠ろう眠ろう。もう眠ってしまわなくちゃ。
焦れば焦るほど、瞼は勝手に開いてしまう。

真っ暗闇の中、気づけば凝視しているのは、なに。

目を閉じよう目を。もう見ても無駄なのに。
理解すればするほど、視界は暗いままに目に映る。

見えるのは、暗闇の奥にある懐かしい残像。

忘れたわけじゃないよ。
忘れたわけじゃ。
ただ、そこに僕が吸える酸素を見つけられなくなってしまっただけ。

忘れたわけじゃないよ。
忘れるわけがない。
今でもまだ、君は僕の唯一の心残りなんだから。

忘れたわけじゃないよ。
忘れられるはずもないじゃないか。
君はきっと、一生、僕の唯一の心残りであり続けるのだ。

じっと見つめる暗闇の奥。
懐かしいだけの残像が、現在の虚像に戻ろうと足掻く。
ただ、僕の吸える酸素を見出せないままで。
眠れないままで。

何度も何度も目を閉じて、深呼吸をする僕の
唯一の心残りは、君だけだ。

痛む足を引きずって

痛む足を引きずって、それでも歩く。
歩かないと、あの場所へ辿り着けないから。
歩かないと、家に帰れないから。

マメができても、それが潰れても。
痣になっても、それが嫌になるほど痛くても。
泣きたくなるほど、立ち止まりたくなるほど疲れても。
それでも。

荷物が重くても感覚が遠くなっても辛くても。
それでも歩くしか残っていないから。

痛む足を引きずって、それでも歩く。
歩かないと、あの人に会えないから。
歩かないと、君の元に戻れないから。

痛む足を引きずって。
それでも歩く。

ずっと先を歩き続ける、彼の背中が見えるまで。
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